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1-3 椎間板ヘルニアの好発部位

椎間板ヘルニアが発症しやすい箇所(好発部位)は、椎体間がよく可動する部分、すなわち頻繁に動いている背骨の関節部です。 具体的に言うと、圧倒的に多いのが胸腰部(80%)で、次いで頚部(15%)となります。

また、中年以上の大型犬では、腰仙部に発症しやすい傾向にあります。

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胸腰椎(胸腰部)椎間板ヘルニア

胸腰椎椎間板ヘルニアにおける好発部位は、第3胸椎~第4腰椎の領域が一般的で、その中でも特に発生しやすいのが湾曲の大きい第11胸椎~第2腰椎の領域で、全体の75%を占めるとも言われています。

症状は、脊髄圧迫による胸腰部の激しい痛みで、中等度以上のヘルニアでは、下半身麻痺が生じ、麻痺のため痛みを感じません。 特に、腰仙部で発症した場合は、後肢麻痺に加え、排尿障害・排便障害などの馬尾神経障害も生じます。

頸椎(頸部)椎間板ヘルニア

椎間板は、第1~第2頚椎間を除く全ての椎体間に存在します。 この内、頚椎椎間板ヘルニアの大部分は、第2~4頸椎または第6頸椎の領域で発生します。

頸椎椎間板ヘルニアの大半は、ハンセン1型ヘルニアで、軟骨異栄養性犬種の小型犬によく見られます。 特に、ビーグル、シーズー、ペキニーズにおいては、胸腰部よりも頸部にヘルニアが多く発生する傾向にあります。

症状は、頸部の激しい痛みが特徴で、頸部筋肉の硬直や前肢虚弱、跛行が見られます。 脊髄圧迫による四肢の不全麻痺または片側不全麻痺は、軽度か全く示さない場合も多く、深部痛覚が消失するような完全麻痺を生じることはほとんどありません。

胸腰椎椎間板ヘルニアと頸椎椎間板ヘルニアの違い

脊髄は、延髄から頸部・胸部・腰部にかけて走行しています。

頸部の脊髄の回りにはスペース(隙間)があり、椎間板が飛び出してきても、比較的脊髄は圧迫されないので、ほとんど症状を示さない(元気がない程度)か、示したとしても中等度の障害で済みます。

これに対して、胸腰部では脊髄の回りにはスペースがほとんど無いため、頸椎椎間板と同じ程度のヘルニアであっても衝撃や圧力がもろに脊髄に伝わるので、非常に大きな障害をもたらします。

ハンセン2型ヘルニアのように圧力が徐々に加わっていくような場合、脊髄は失われていく機能をかなり補完することができます。 ところが、ハンセン1型ヘルニアのように急激に圧力が加わる場合には、ほとんど機能を補完することができません。

よって、胸腰椎椎間板ヘルニアの発症頻度は、頸椎椎間板ヘルニアよりもかなり高いのが特徴です。

人間と犬の椎間板ヘルニアの違い

椎間板ヘルニアの好発部位について、人間の場合は腰仙椎に生じることが多いのに対して、犬の場合は胸腰椎に起こることが多いのが特徴的な違いです。

人間の腰椎は、5個の椎骨から出来ていて、その中を走る脊髄は第2腰椎で終わり、その下には末梢神経が走っています。 人の椎間板ヘルニアは、第4~第5腰椎間や第5腰椎~仙椎間に生じることが多く、この部分には脊髄が存在してないため、飛び出した椎間板は、馬尾神経(末梢神経)を圧迫することにより、痛みのみを生じます。

一方、犬の腰椎は、7個の椎骨から出来ていて、その中を走る脊髄は第5ないし第6腰椎で終わり、その下には末梢神経が走っています。 従って、胸腰部で中度以上のヘルニアが生じると、必ず脊髄が損傷されるため、後肢に不全麻痺や完全麻痺が起こります。

私達人間は、交通事故や落馬などによる激しい外傷によって、脊髄損傷を受け半身不随になることがありますが、犬の胸腰椎椎間板ヘルニアは、これに相当するほどの重大な病気であることを理解して下さい。