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2-3 椎間板 (ついかんばん)

椎間板とは、椎骨と椎骨の間にあり、2つを連結している弾力性のあるゼラチン様物質のことで、背骨(脊柱)にかかる衝撃を吸収するクッションの役割をしています。

椎間板の構造は、平べったくて丸い「あんこ餅」のようなもので、餡の部分は柔らかくて弾力のあるゼラチン状の「髄核」、餅の部分は硬くて弾力のある線維軟骨性の「線維輪」から成っています。 椎間板は、その形状から「椎間円板(椎骨間にある円板状の物質)」とも言います。

髄核は、中心からやや脊髄側に片寄っており、線維輪も脊髄側の方がやや薄くなっています。 そのため、椎間板物質は、脊髄側へ脱出しやすい構造になっています。 椎間板ヘルニアが起こると、椎間物質は後縦靱帯を突き破り、中枢神経系の本幹である脊髄や末梢神経の根管である神経根を圧迫し、激痛や麻痺が生じます。

椎間板には、血管が存在しません。 そのため、椎間板の栄養と老廃物の代謝は、連結する椎骨の椎体内の血管から軟骨終板を介して、線維輪の最外層へ滲み出て、拡散されることによって行われます。 成犬後は加齢(老化)と共に血流量が減少するため、椎間板の水分量も減り、犬の椎間板ヘルニアのリスクが高まります。

また、髄核や線維輪内層に神経は通っていませんが、線維輪の最外層および椎間板を取り巻く前後の縦靭帯には感覚神経が通っています。 そのため、椎間板ヘルニアが原因で、線維輪外層が引き伸ばされたり裂傷が生じると、椎間板性の痛み(椎間板性疼痛)が走ります。

椎間板 髄核 線維輪 脊髄神経根 後縦靭帯

椎間板がヘルニアを起こすイメージ

テーブルに置かれたつき立てのあんこ餅を想像してみてください。
モチモチした弾力のあるあんこ餅は、日が経つにつれ、水分を失い、カチカチに硬くなっていきます。
そして、ついに餅に亀裂が入って、中身のあんこが飛び出てきます。

亀裂が入った餅(線維輪)が脊髄を圧迫する場合を「ハンセン2型椎間板ヘルニア」、中身が飛び出したあんこ(髄核)が脊髄を圧迫する場合を「ハンセン1型椎間板ヘルニア」と2つのタイプに分類されます。

  • 髄 核 (ずいかく)

    髄核は、豊富な水分(80~90%)とゼラチン質から出来ています。 ゼラチン質の成分は、コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸(プロテオグリカン)、グリコサミノグリカン、ケラチン硫酸などです。

    これらの含有量は、椎間板(髄核)の弾力性を決定します。 髄核の成分は、犬種によって異なり、椎間板ヘルニアの発症のしやすさと深く関係があります。

  • 線維輪 (せんいりん)

    線維輪は、軟骨基質中の膠原線維が髄核の周囲を年輪のように幾重にも取り巻いている線維状組織です。

    この膠原線維は外側に向かって螺旋状に巻いており、椎間板にあらゆる方向から加わる圧力に対応できるようになっています。 線維輪の最外層はⅠ型コラーゲンで、髄核を直接囲っている内層は線維軟骨様の物質で出来ています。

椎間板はねじれに弱い!! ~椎間板のクッション性と剛性~

椎間板に圧力がかかると、髄核は、圧力を分散しようと放射状に広がろうとする性質があります。 線維輪は、包帯のように髄核をぐるぐる巻きにして髄核が潰れないように保護しています。 このような構造によって、椎骨同士を連結している椎間板は、クッション機能を発揮して、衝撃が直接椎骨に伝わることを防いでいます。

椎間板の剛性と緩衝能(衝撃を吸収する能力)は非常に高く、この能力を超えるほど大きな衝撃が加わると、椎間板よりむしろ椎骨が損傷してしまうほどです。

このように椎間板は、圧力をうまく分散吸収するように出来ていますが、背骨(脊柱)を折り曲げたり、ねじったりする力には非常に弱い一面もあります。 それはねじると繊維状の線維輪が、容易に引きちぎられるように損傷してしまうからです。 よって長年、繰り返しねじられていると線維輪の耐久性が弱まり、衝撃吸収能力も落ちてきます。

しかし健康な犬では、周囲を取り巻いている椎間関節包・脊椎靭帯・傍脊椎筋などが椎間関節が極端に曲げられることを防いでいるので、線維輪が大きなダメージを受けるほどねじられることはありません。

繊維と線維

繊維とは、元来は布を織る材料となる糸の素材のことで、古くから獣毛・皮革・植物などから生成して利用してきました。

繊維が自然界に存在する外的な細いものであるのに対し、医学における線維は、体内における糸状の長い細胞で構成される組織のことを指します。 簡単に言うと、生体内の繊維状のもの(組織)を医学用語として、線維と表現していることになります。

繊維=fiber(ファイバー)  線維=fibril(フィブリル)