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2-4 脊 髄 (せきずい)

背骨(脊柱)の真ん中には脊柱管という空洞があり、その中を脊髄と呼ばれる太い神経(中枢神経)が走っています。 脊髄は、脳幹の最も下方にある延髄から尻尾に向かって延びており、各椎骨と椎骨の間の左右にある隙間(椎間孔)から、分岐した神経線維が全身へと伸びています。 脊髄を覆っている髄膜から直接出ている神経線維を神経根と呼び、2種類の神経根(運動神経根+感覚神経根)が合流して1つになった部分を脊髄神経(末梢神経)と呼びます。

脊髄は、体中の末梢神経が感知した感覚や刺激を脳に伝え、また、脳から筋肉を動かす指令を末消神経に伝えています。 この他に、急に寒熱や痛みなどを感じて手足を動かす反射情報を、脳には伝えず自ら処理する働き(脊髄反射)もします。

脊髄は、脳と同様、3層から成る髄膜(軟膜+クモ膜+硬膜)で保護されています。 最内層の軟膜には血管が張り巡らされ、神経系に栄養の補給と老廃物の除去を行っています。 軟膜とその外側のクモ膜の間には「クモ膜下腔(脊髄腔)」と呼ばれる隙間があり、そこを脳脊髄液(髄液)が流れています。 最外層には最も強固な硬膜があります。

髄膜には、髄膜神経と呼ばれる数多くの感覚神経が分布しています。 椎間板がヘルニアを起こすと、髄膜神経が圧迫され、そして炎症が起こり非常に強く痛みます。 また、神経自身も圧迫されるので非常に激しい痛みを発生します。

脳と同様に、中枢神経である脊髄の内部には、H型をした灰白質があり、その周囲を白質が包んでいます。 灰白質は運動性や感覚性などの神経細胞の集合体で、白質は縦走する神経線維から成っています。

脊髄 脊柱管 神経根 脊髄神経 髄膜 軟膜 くも膜 硬膜

椎間板ヘルニアが与える神経系へのダメージ

脳と同様、脊髄は、酸素とグルコース(ブドウ糖:唯一のエネルギー源)の欠乏に非常に弱く、それらを供給する血液が、血管の閉塞や破裂などにより遮断されると(低酸素症または無酸素症)、すぐに壊死し始めます。

椎間板ヘルニアにより、脊髄が深刻な損傷を受けたにもかかわらず、そのまま放置しておくと、致命的なダメージを与えてしまう一連の分解酵素が、血液や神経組織から放出され始めます。 分解が進むと、神経組織は融解し、脊髄軟化症を引き起こし、回復は不可能となります。

椎間板ヘルニアによる脊髄損傷からの回復の程度は、酸素とグルコースの欠乏時間と神経組織(灰白質層・白質層)のダメージの大きさによります。

脊髄は、壊死すると融解し、融解した状態を軟化(融解壊死・液状壊死)と呼びます。 壊死した神経組織は二度と回復しません。 神経組織を少しでも多く生き残らせるには、出来るだけ早く処置することが重要です。 脊髄損傷が小さく軽い機能障害なら、薬物療法だけで回復します。 重度の損傷の場合は、緊急の手術が必要になります。

大きな衝撃を受けた時に発症する急性のハンセン1型椎間板ヘルニアでは、慢性のハンセン2型(徐々に圧力を受けるため、ある程度の機能は脊髄が代償可能)よりも大きな障害が残ります。 そのため、急性のハンセン1型では、2型よりも治療後の運動は厳しく制限されます。