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首・背中の痛みや足に麻痺がある場合、脊髄に何らかの障害があるものと考えられます。 犬の脊髄疾患で最も多いのは、椎間板ヘルニアですが、その症状だけからでは椎間板ヘルニアと断定することは出来ません。

椎間板ヘルニアかどうかを確定診断をするためには、犬に全身麻酔をかけて、CTやMRIによる精密な画像検査 が必要です。 しかし、これらの断層撮影装置はとても高価なため、大学病院や動物医療センターなどの高度医療を手掛けている動物病院にしかありません。

そのため、一般的な動物病院では、症状(視診)、神経学的検査(触診)、血液検査、単純レントゲン検査などから「椎間板ヘルニアの可能性が高いであろう」ということで投薬治療を開始し、治療への反応を見て診断を固めていくといった手法が一般的です。

3-2 神経学的検査

打診器(打腱器)や触診などで反射や反応などを検査することで、神経学的グレード(重症度)を測るとともに、脊髄の圧迫がどこにあるのかを推測します。

やや高度な医学知識が要るため、一般的な動物病院では、以下のような入念な検査はせず、背骨を触ってどこの箇所を犬が痛がるかを確認しながら、四肢および頸部の麻痺の程度を調べるだけの場合が多いです。

姿勢反応(正常な立位を維持するための反応)

  1. 固有位置反応 足先の関節を曲げて、肉球と反対側の足の甲を床につけた時に、正常な位置に足を戻して肉球を地面につけるかどうか。

  2. 踏み直り反応 犬を抱きかかえた状態から、台の縁に足の甲を当てると、足首を曲げて台の上に足を乗せるかどうか。

  3. 跳び直り反応 四肢の内、3本を手で握り1本足で立たせた状態で、体を横に押しやると、ケンケンして身体の平衡を保とうとするかどうか。

  4. 立ち直り反応 四つ足で立たせた状態で、身体を横または前後に押した時、身体の平衡を保ち、その場に踏みとどまることが出来るかどうか。

  5. 手押し車反応 後肢または下腹部を支えて、手押し車の格好にして、前肢で歩くことが出来るかどうか。

  6. 姿勢性伸筋突伸反応(伸筋姿勢性突伸反応) 前肢を中に浮かせ後肢だけで立たせた状態で、身体を後方へ押しやると、尻餅をつかずに後方へ後ずさり出来るかどうか。

脊髄反射(感覚器が刺激を受けた時に、脳で意識しない内に脊髄が中枢となって起こる反応)

  1. 膝蓋腱反射 膝関節を軽く屈曲させ、膝蓋腱を打診すると、反射的に膝関節が伸張するかどうか。

  2. 坐骨神経反射 膝関節を軽く伸展させ、坐骨結節と大腿骨大転子間の陥凹部に指を当てて、軽く打診すると、反射的に膝関節が屈曲するかどうか。

  3. 前脛骨筋反射 足根関節を軽く屈曲させ、前脛骨筋を打診すると、足根関節が伸展するかどうか。

  4. 屈曲反射(屈筋反射・引っ込め反射・引き込み反射) 足先をとがった物で突付いた時に、反射的に足先を引っ込めるかどうか。

  5. 体感皮筋反射 胸腰部の皮膚を鉗子ではさんで刺激し、刺激を加えた部位より頭側の皮膚がピクピクと動くかどうか。

  6. 肛門括約筋反射(肛門反射・会陰反射) 肛門周辺や会陰部(外陰部と肛門の間の部分)をこすったり、直腸に指を挿入すると、肛門括約筋の収縮により、反射的に肛門が閉じるかどうか。

  7. 交叉性伸筋反射 片方の後肢の足底を刺激すると、その足が屈曲するとともに、反対側の後肢が伸展を起こすかどうか。
    脊髄自動反射の一種で、正常な状態では抑制されて潜在するが、不完全脊髄障害などでしばしば認められる。

  8. バビンスキー反射(足底伸筋反射) 足の裏を踵からつま先に向かってゆっくりこすると、親指が反り返るかどうか。
    親指が足裏の方に屈曲すれば正常です。

シフ・シェリントン症候群

MダックスフンドやWコーギーなどの軟骨異栄養性犬種に多発するハンセン1型椎間板ヘルニアは、胸腰部の第3胸椎~第4腰椎領域に発生するのが一般的であるため、この部位にある程度あたりを付けて神経学的検査を行うのが効率的だと思われる。

しかし、急性の深刻な第3胸椎~第4腰椎領域の病変で引き起こされることのある前肢は伸展し後肢は麻痺するシフ・シェリントン症候群が認められる場合、神経学的検査をいい加減に行えば、病変部位を頚胸部の第1頚椎~第2胸椎領域と誤診しかねないので注意が必要。