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一般論として、椎間板ヘルニアグレード2以下の場合は内科治療(薬物療法)、グレード3の場合は内科治療または外科手術、グレード4(排尿障害)以上の場合は外科手術適応となります。 ただし、強い症状がなくとも、3ヶ月以上症状が持続するなど保存療法で奏効しない場合や再発症例の場合、手術が考慮されます。

手術の目的は、椎間板ヘルニアの直接原因である脊髄を圧迫している椎間板物質(線維輪・髄核)を取り除くことにあります。 それには、犬に全身麻酔をかけ、CTやMRIなどの画像検査によって、脊髄の圧迫部位を厳密に特定する必要があります。

犬の椎間板ヘルニアの手術は、非常に複雑かつ繊細な手術を要するため、術後改善するかどうかは、術者の腕が鍵となります。 なぜなら、突出または逸脱した椎間板物質を摘出する際に、そのすぐ近くを走る脊髄神経や脊髄血管、さらに脊柱管内を走る静脈洞を損傷すると、大出血や脊髄軟化(壊死)が起き、犬の死を招くため、細心の注意が必要だからです。

勿論、椎間板ヘルニアのグレードが高い(重症である)ほど、高い技術が求められるのに対し、改善率は落ちてきます。 ここで言う改善とは、必ずしも麻痺していた四肢が歩行できるまでに回復することを意味しません。

手術費用は、25~50万円が相場です。 中級クラスの一般的な動物病院(25万円)でも外科治療を行っている所もあるようですが、大学病院や動物医療センター(50万円)などの高度な医療を提供している動物病院を選んだ方が無難でしょう。椎間板ヘルニア 手術 料金 費用

4-3 ハンセン1型の外科手術

以下の減圧法は、ハンセン1型椎間板ヘルニアに対して有効ですが、ハンセン2型に対しては改善する確率が低いばかりか、症状を悪化させるリスクが高いので避けた方が賢明です。

  • LOVE法(ラブ法)

    椎間板ヘルニアにおいて、古典的かつ最も一般的な手術方法のことで、Loveは人名に由来。

    直視下(目視)で、背中側から皮膚を切開し、さらに椎骨の一部を開き、神経を圧迫している椎間板物質(髄核・線維輪)を摘出します。 手術用顕微鏡を用いて行う術式をマイクロLOVE法と言います。

頸部椎間板ヘルニア

一般的に、頚椎椎間板ヘルニアの方が、胸腰椎椎間板ヘルニアに比べ、手術の難易度は高い一方で、術後の改善率が高いのが特徴です。

頚椎椎間板ヘルニアの術式(外科手術の方式)には、以下の種類があります。 一般論として、椎間板物質が脊髄の存在する脊柱管内に逸脱して圧迫している場合は腹側減圧術を、ヘルニアが複数の部位に発生している場合は、片側椎弓切除術または背側椎弓切除術による減圧術が適用されます。

  • 腹側減圧術(ベントラル・スロット:Ventral Slot Decompression)

    犬の頚椎椎間板ヘルニアの大半はハンセン1型で、椎間板物質が脊髄の腹側に逸脱する場合が多いため、頚椎椎間板ヘルニアにおいては、ベントラルスロットル法が最も一般的であり、予防的開窓術を行うことも可能です。

    予後は90~95%の症例で痛みの改善、四肢機能の回復が期待できます。

    この術式の利点は、背側の関節突起を損なうことなく、脊髄腹側の椎間板物質を除去することが可能なだけでなく、アプローチの段階で線維輪内に残っている変性髄核をも同時に除去できるところにあります。

    頚部の腹側(喉側)を皮膚切開して、正中線(中心線)に沿って胸骨舌骨筋・胸骨頭筋を分離し、気管・食道・神経血管束を牽引して脇に寄せる。 頚椎の腹側突起を触知して、病変部のある椎間を特定する。 この時、解剖学的特徴を持つC1とC6が目印となる。 高速ラウンドバーやロンジュールなどを使い、椎体に穴を開け、逸脱した椎間板物質の除去をおこなう。

  • 片側弓椎切除術(ヘミ・ラミネクトミー:Hemilaminectomy)

    「背側椎弓切除術」を参照。

  • 背側椎弓切除術(ドーサル・ラミネクトミー:Dorsallaminectomy)

    大半の椎間板ヘルニアは、脊柱管の方(背側)へ突出しているので、それを除去するには腹側から切開する方が優れています。 突出した椎間板が脊髄に沿ってずり上がって(または下がって)いる場合にも、腹側切開では簡単に除去可能です。 しかし、腹側切開の場合には、複数の連続した椎間板ヘルニアの場合、安全に手術を行うことができません。

    このような多発性ヘルニアの場合には、背側から切開し首の後ろ側の筋肉を避けて、椎骨の安定性を保持しながら複数の椎間板のスペースを確保します。 しかし、椎間板は脊髄の下側に突出しており、脊髄を傷つけることなくこれを安全に取り除くことは非常に難しく、脊髄の除圧だけを行い、突出した椎間板はそのまま放置することになります。 将来、残した椎間板が原因で炎症を起こしたり、病状が悪化する危険性があります。

    最近、頸部の側方切開が行われていますが、頸椎椎骨の開窓手術は、腹側からのみ行われるので、腹側切開に比べメリットはほとんどありません。

予防的開窓術 (フェネストレーション:Fenestration)予防的造窓術

予防的開窓術は、上記の椎間板ヘルニアの減圧手術時に、将来ヘルニアを起こしそうな部位の椎間板の線維輪に穴を開け、髄核を取り除くことで、椎間板ヘルニアの再発を予防する目的で行われる手術のことで、頸椎第2~7番目、胸椎第11番目~腰椎第4番目の領域で行われることが多いです。

予防的開窓術は、容易にアプローチしやすい側方切開が一般的です。 腹部切開では、腹部と胸部の両方を切開する必要があり、脊柱の腹側には大動脈が走行しているため、この部位で骨ドリルを使用することは非常に危険で、側方切開に勝るメリットは何も無いからです。

予防的開窓術については賛否両論があります。 否定派は、上手に行わないと大動脈を傷つけてしまう危険性、椎間板の感染による椎間板性脊椎炎を引き起こす危険性、椎骨終板を傷つけ骨形成性変性を起こし神経根を圧迫する危険性、飛び出している髄核全てをきれいに除去することは難しく残った髄核によってヘルニアを再発する危険性、、開窓術を施した部分の両隣にある椎間板により大きな負荷がかかることによるヘルニア再発の危険性を主張してています。

他方、賛成派は、Mダックスなどを代表とする軟骨異栄養性犬種が1度椎間板ヘルニアを発症すると、再発しやすいことから、予防的な開窓術は行う価値があり、椎間板ヘルニアではなくても椎間板変性の痛みを椎間板開窓術によって取り除くことができ、また、胸腰部の側方切開と頸部の腹側切開では同時に開窓手術を行うことが出来るので再手術の必要が無い、といったメリットを主張しています。

胸腰部椎間板ヘルニア

  • 片側弓椎切除術(ヘミ・ラミネクトミー:Hemilaminectomy)

    片側椎弓切除術法は、胸腰椎椎間板ヘルニアの外科療法として最も一般的な手法です。

    この術式は、圧迫している椎間板物質が脊髄の左右いずれかの片側、または脊髄の真下に存在する時に採用されます。

    椎骨の横側に穴を開け、圧迫されている神経の逃げ道を作りつつ、そこから圧迫物質を摘出します。 術者によっては、椎骨の両側の椎弓だけでなく、棘突起も切除する場合もあります。

    術後の改善はグレードが高いほど遅く、早くて2週間、遅いと半年以上かかる場合もあります。

  • 背側椎弓切除術(ドーサル・ラミネクトミー:Dorsallaminectomy)

    この術式は、脊髄の真上の骨を切除する方法となり、脊髄の真下を確認することが不可能なため、頸部の場合と同様に、突出した椎間板物質を除去できないという欠点がありますが、左右両方からの圧迫や、椎間板物質の特定ができない際には、脊髄の減圧を目的に行います。

    脊髄が走行している脊髄腔(クモ膜下腔)と呼ばれる空間は、椎骨の椎弓と呼ばれる部位で覆われているため、高速ラウンドバーやロンジュールなどを用いて、その空間を露出させ、飛び出した椎間板を除去します。 容易に除去できる場合もあれば、除去できない場合もあり、状況によっては、いくつかの椎弓を切除しないといけないこともあります。

4-3 ハンセン2型の外科手術

ハンセン2型椎間板ヘルニアにおいて、上記の従来型外科手術を施術する場合、ハンセン2型は慢性的な脊髄圧迫により、脊髄白質がすでに変性を起こしているため、その部位に外科的侵襲性(手術により生体を切開したり生体の一部を切除したりすることによる生体へのダメージ)が加わることで、残存する脊髄の機能を悪化させるリスクが懸念されます。

よって、ハンセン2型に対しては、従来型外科手術は効果が出にくいばかりではなく、更なる症状の悪化を引き起こすリスクもあるため、ハンセン2型が疑われる場合は、内科的治療(薬物療法)で経過を見るしか方法がありませんでした。

  • PLDD術(経皮的レ-ザ-椎間板減圧術:Percutaneous Laser Disc Decompression)経皮的髄核減圧術

    PLDDは、「椎間板ヘルニア日帰り手術」として知られていますが、近年、獣医療界にも導入された最新の治療法です。

    基本的に、ハンセン2型に適用される施術法で、改善率90%以上を誇り、ガイド針が物理的に穿刺可能な状況であれば、「頚椎」「胸腰椎」全ての領域で施術可能だそうです。

    X線透視化で、皮膚の外側から病変部の椎間板に細いガイド針を穿刺し、その針穴に直径0.8mmの細いコニカルファイバー(レーザーファイバー)を挿入、半導体レーザーまたはYAGレーザー光を椎間板内部で照射し、変性した髄核を熱凝固(蒸散)させると、椎間板が収縮し、神経の圧迫が取り除かれます。

  • 治療時間: 5分程度
    治療費: 20~30万円費用 料金 PLDD