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4-5 椎間板ヘルニアのリハビリ方法回復率

犬 椎間板ヘルニア 神経学的グレード

外科手術による術後の改善率は、グレード(脊髄損傷の程度)や発症からの経過時間(特にグレード5の場合に深く関係)によって左右されます。 また、外科手術が成功したとしても、神経麻痺が回復するかどうかは、術後のリハビリ治療の良否にかかっています。

リハビリ治療の目的は、筋肉の拘縮を防ぎ、運動や感覚を司る脊髄神経を回復させることにあります。

万が一、後肢が麻痺していても、四肢を動かすことで、脊髄反射(大脳皮質を経ないで、脊髄にある反射中枢を介して起こる反射)を利用した歩行(脊髄歩行)ができるようになる可能性が残されていますので、術後のリハビリはとても重要です。

リハビリ期間は最低3か月、出来れば6か月、粘って1年のつもりで、焦らず怠けず続けることが重要です。

脊髄障害におけるリハビリの意義

神経には「可塑性」という特徴があります。 これは、たとえば10本の神経線維の束の内、6本が切れたとした場合、残りの4本が機能を増大させるか、あるいは同様の機能を司る神経細胞がバイパス(迂回)的に再生して、元の機能を回復させようとする現象を指しますが、リハビリテーションを行うことで、この「神経細胞の可塑性」が促進されます。

また、神経の麻痺状態が長く続くと、その間、筋肉も動かないため、使われない筋肉は徐々に萎縮し、完全に筋萎縮してしまうと回復不可能になります。 リハビリは、これを防ぐ意味でも非常に大きな役割を果たします。

  • 温 浴入浴

    自宅でできる最も効果的な温熱療法の1つは、犬を温かいお風呂に入れてあげることでしょう。 温浴で血行が促進され、患部のみならず全身の細胞の老廃物を取り除き、栄養と酸素を送り込み、免疫細胞(マクロファージ)や自律神経(交感神経+副交感神経)が活性化され、自然治癒が確実に促進されます。 炎症の急性期(激痛期)を越えた7~10日後から始めましょう。

    ① 42℃程度(犬がパンティング=あえぎ呼吸しない程度)に設定して温水シャワーを出し、手で熱すぎないか確認します。

    ② 犬の体格に合った浴槽(容器)に犬を入れ、 温水シャワーを首から腰にかけ
      て背骨に浴びせながら、浴槽にお湯を溜めていきます。 この時、肝心の背骨
      が湯船から出てしまいますので、小さいフェイスタオルを背中に掛けて保温し
      てあげます。

      ツボを知らない素人が無闇に背中を揉んだり指圧するのは、悪化させること
      になるので避けた方が無難でしょう。 温水シャワーを背骨に浴びせて刺激す
      るのが一番効果的なマッサージになるでしょう。

    ③ 「湯船に5分浸けたら、浴槽から出し、30秒冷水シャワーを体にかける」を繰り
      返すと、副交感神経だけでなく交感神経も活性化されるので、効果が倍増します。 毎日、20~30分程度の温浴をを1・2回して
      あげると良いでしょう。

    ④ 体が冷えないように、タオルで十分体を拭きます。 犬の全身の毛をバリカンで1cm程度まで刈り上げておくと、毎日の入浴後
      の乾燥が、簡単なタオルドライだけで済んでしまいます。 入浴後の十分な乾燥を怠ると、身体が冷えて折角の温浴効果が台
      無しになるので気を付けましょう。

  • 炎症の急性期は冷やし、安定期・慢性期は温めるべし!!

    炎症の急性期(激痛期)は、患部を冷やし身体を動かさないようにします。 これはどちらも患部の血行を抑えることで炎症が周囲に広がらないようにするためです。 そして、発症1週間後の炎症の安定期・慢性期(鈍痛期)には、患部を温めることによって、血行を促します。

    椎間板ヘルニアの初期症状は、激痛が特徴ですが、その原因は圧迫されている脊髄やその周辺部の組織・筋肉に激しい炎症が起きているためです。 その炎症が周辺部に広がらないように、発症直後に保冷剤や氷袋を患部(背骨)に30分程度押し当ててアイシングします(発症後数時間経過した場合は効果なし)。 人間と違って、犬の背中は被毛で覆われているため、タオルなどに包まず直接アイシングして下さい。

  • お灸

    お灸も鍼や指圧同様に、適したツボに施術しなければ効果がありませんので、ツボ探しのできない素人には無理でしょう。 あえて飼い主が施術するなら、貼り付けるタイプではなく、棒温灸(棒灸)が良いでしょう。

  • 鍼(はり)

    術後のリハビリ治療だけでなく、犬の後肢に麻痺があり、手術を受けない温存療法として、鍼があります。

    1回5~7千円×15回でかなりの改善があるとされています。 椎間板ヘルニアの手術費用が30~50万円の相場からすると、その1/3以下の経済的負担で済むことになります。

    効果は、すぐに現れるのは稀で、回数を重ねるごとに徐々に現れます。 ただし、鍼も手術も施術者の技能にかかっています。 3~5回ほど受けて効果がないと判断した場合は、他の医院に変えましょう。

  • マッサージ

    湯船で犬の患肢や背中を手でさするようにマッサージします。 ツボを知らない方は指圧は避けた方が無難です。 患肢の肉球を優しく揉んであげることでも、患肢の運動神経に刺激を与えることができます。

  • 屈伸運動

    初期段階の運動療法の1つとして屈伸運動があります。 マット上で犬を仰向けにした状態で、左右の後肢または前肢を自転車漕ぎのように交互にゆっくり屈曲と伸展(曲げたり伸ばしたり)を繰り返し、患肢の運動神経に刺激を与えます。 初期段階における運動療法の目的は、四肢の筋肉を鍛えると言うよりも、元気だった頃の歩行感覚を犬の脊髄に思い出させることにあります。 5分1セットを1日6セット以上こまめに患肢を動かしてあげましょう。 温浴後の血行が良くなった状態で屈伸運動をするとより効果的です。

  • 水泳プール 遊泳

    水泳は、患肢に負担をかけずに全身運動が長時間(30~60分間)できるメリットがあります。 手術の傷は、ワセリン等で防水しておきます。 たとえ夏でも水に長時間つけると、ほとんど動かせない患肢は冷えていますので、水泳後は温浴させてあげましょう。

  • タオル歩行

    中期の運動療法の1つとしてタオルなどを利用した補助歩行運動があります。 犬の下腹部にタオルを通して下半身を持ち上げ、歩行訓練させます。 市販されている専用ハーネスを利用するのも良いでしょう。 1回5~10分×1日2回以上歩行練習させます。 ただし、患肢が地面に着くように高さを維持させる必要があるため、腕がかなり疲れる欠点があります。

  • カートトレーニング

    犬用の車椅子(補助車)に乗せて歩行訓練させます。 この時、車椅子をリードで軽く引いてあげると負担が軽くなり、犬は歩きやすくなります。 また、後肢のつま先が軽く地面にこすれて適度に刺激が伝わる程度の高さになるように調整するのがポイントです。 タオル歩行と異なり、人間の労力なしで簡単に歩行練習させることができるメリットがあります。 1回10~30分×1日2回の歩行練習で十分でしょう。

  • その他のリハビリ治療

    半導体レーザー治療(1回800円)、超音波療法、低周波療法、電気刺激など。